今年も「藤崎町おためし地域おこし協力隊」が開催されました!
更新日:2月15日
令和6年1月20日(土)~1月22日(月)に、「藤崎町おためし地域おこし協力隊」が行われました。3名の参加者をお迎えして2泊3日で行われたイベントの様子をお伝えします。
【写真:津軽塗ワークショップの様子】
~~~ 1日目 ~~~
<オリエンテーション>
最初のプログラムは、オリエンテーション。ふじさき食彩テラス2Fに、現役の藤崎町地域おこし協力隊の方々に加え、藤崎町役場の川田主査、弘前圏域移住交流デザイナーの野口拓郎さん、参加者の3名が集合しました。まずは参加者の皆さんをご紹介します。
【写真:大沼 可奈(おおぬま かな)さん】
大沼さんは、東京生まれ・東京育ちです。青森県との関係といえば十和田市に叔父様が住んでいるとのこと。お料理が大好きで「りんごを使ったスイーツやパンの製造・販売業」で起業したいとの想いがあります。
【写真:工藤 光(くどう ひかる)さん】
工藤さんは、北海道からの参加です。弘前市出身で子育て中のママさんです。国家資格である「言語聴覚士」を取得しており、乳幼児の睡眠相談等を行ってきました。地域おこし協力隊になって、地域貢献をしながら持ち前のスキルで起業したいとのこと。
【写真:大和田 賢吾(おおわだ けんご)さん】
大和田さんは、埼玉県出身の25歳です。令和6年1月19日に藤崎町地域おこし協力隊に着任したばかりのピカピカの一年生。関東圏の大手外食チェーン「日高屋」に店長として勤務していましたが、交際中の女性の出身地である藤崎町に移住することを決めました。今後は、ふじさき産品のプロモーションと暮らし観光による誘客などに取り組んでいきます。
【写真:弘前圏域移住交流デザイナー 野口拓郎さんによるレクチャー】
参加者の自己紹介が終わったところで、藤崎町役場の川田主査から藤崎町の色々な取り組みについて説明がありました。その後、弘前圏域移住交流デザイナーの野口さんから「地域おこし協力隊の制度や移住について」の説明を受け、皆さん熱心に聞き入っています。
<津軽塗ワークショップ>
オリエンテーション終了後は、津軽塗ワークショップに参加するため、藤崎町地域おこし協力隊の笠原綾子さんが運営する「かさこ*ハウス」に移動。
「かさこ*ハウス」では、津軽塗の講師である伊藤漆店の伊藤さんが準備万端で皆さんの到着を待っていました。ワークショップは、津軽塗に関するクイズでスタート。
【写真:津軽塗に関するクイズ中!】
クイズで一通り津軽塗の学習が終わったところで、いよいよ箸磨きに入ります。津軽塗の全工程をやると何日もかかるため、今日は漆を塗った箸を磨くところからです。箸に水をかけながら「やすり」で磨いていくと模様が浮き上がってきます。箸は、黒・赤・青・緑の四色。それぞれ好きな色の箸を選んで磨きます。
【写真:懸命に箸を磨くお二人】
箸の選択が終わってから明かされた事実。実は、塗られた漆の色によって磨きやすさが異なるとのこと。緑色が一番、模様がでるまで時間がかかるのだとか。
<ワッ~、全然ででこね~。>と 緑色の箸を磨いている方から悲痛な声が。。。。
でも、しばらく磨き続けていると模様が浮かび上がってきました。模様が強く出ている人、控えめに出ている人、それぞれの個性が現れていて面白いですね。
箸磨きは、思いのほか腕が疲れた様子。磨いた箸は、講師の方が残り工程を施して郵送してくださるとのこと。完成品を見るのが楽しみです。
<交流会>
交流会は、藤崎町役場からも近い「ダイニング輪」で。「津軽塗ワークショップ」へ参加したメンバーに加えて役場の職員も加わり、さらににぎやかな宴となりました。今日が初対面とは思えない盛り上がりです。
【写真:ようこそ 藤崎町へ】
~~~ 2日目 ~~~
<物件内覧会>
2日目は、物件の内覧から始まりました。藤崎駅から程近い物件で5DK・6万円の戸建です。築年数が長いとは言え、ペット可で家庭菜園もできる庭付きの一軒家がこの金額で借りられることに皆さん驚いていました。
【写真:物件を隅々まで確認する参加者】
<津軽の郷土料理と津軽弁>
物件を内覧した後は、ふれあいずーむ館(藤崎町図書館)で郷土料理作りに挑戦です。教えてくださったのは、移住の大先輩である幸田(ゆきた)さん、藤崎町のことならなんでも知っている岩谷(いわや)さんと福井(ふくい)さん。参加者の皆さんが物件内覧をしている間に、下準備をしてくださいました。今日、作るのは津軽の郷土料理けの汁とイガメンチです。
【写真:けの汁の具を刻む大沼さんと工藤さん】
けの汁の具、大根、人参、ごぼう、わらび、ふき、油揚げ、凍み豆腐などをどんどん刻んでいきます。全部刻んだら、大鍋で煮込んでみそを溶き、ずんだを入れます。
<工藤さん談:お料理は得意じゃないけど、みんなでやると楽しいね!>
【写真:真剣な面持ちで玉ねぎを切る大和田さん】
<大和田さん談:日高屋では、包丁は握ってなかったんですよ~>
【写真:幸田さんによるイガメンチのあげ方レクチャー】
幸田さんは、東京都から藤崎町にお嫁入りしました。今では、だれにも負けない郷土料理のお師匠です。調理ボランティア「キッチンママ」のリーダーとしても活躍しています。
<幸田さん談:イガメンチのタネは、油がはねるから気を付けて入れてね>
【写真:召し上がれ。けの汁とイガメンチの出来上がり!】
出来上がったお料理は、青森県産米「はれわたり」とともにいただきました。いつもは「白米抜き」の誰かさんもお替りするほどのおいしさ。けの汁は、沢山の具からいいダシが出ていて、「ずんだ」がいいアクセントになっていたとのこと。そして、イガメンチはしっかりとイカの味と食感が感じられ、ご飯がどんどん進みます。特にカレー味のイガメンチは「パンチが効いていてうまい」と大好評でした。
<ファットバイク>
おなかも膨らんだところで、いよいよファットバイクの時間。「ふじさき食彩テラス」を出発し、「常盤八幡宮」「北常盤駅」「ねぷた小屋」「農家(にんにく・ミニトマト)」を巡ります。
※ファットバイクとは
タイヤ幅が4インチ(約10cm)前後の極太タイヤを採用した自転車で、もともとアメリカの寒冷な雪が降る土地で誕生したと言われています。タイヤが太く、路面に力を無駄なく伝えられるので、砂や雪道はもちろん、空気圧を変えることで様々な地形、障害物に対応することが可能です。
【写真:いざ、出発!!】
【写真:常盤八幡宮に着いたよ!】
この後、ねぷた小屋を見学し、農家さんを目指して移動します。
【写真:石澤さんによるニンニクのレクチャー】
ニンニク農家に到着すると、真っ白なニンニクが置いてある作業場に案内されました。そこで、石澤さんからニンニクの育て方や出荷までの工程、品質等について説明を受けます。
【写真:ニンニクの皮を剥く工藤さん】
あらかじめお尻の根が研磨されたニンニクの皮を綺麗に剥いていきます。一つ一つの丁寧な作業が真っ白で綺麗なニンニクを生みだすんですね。
【写真:ファットバイクで田んぼを駆け抜ける~】
最後の目的地、ベジ・ファクトリー佐藤さん目指してもうひと踏ん張り。
【写真:冬のミニトマト収穫体験】
ここ、ベジ・ファクトリーでは、めずらしい木骨ハウスを使用しています。木骨ハウスは、資材の製造過程における炭素放出量が、軽量鉄骨ハウスと比べ1/20と云われているそうです。オーナーの佐藤さんからトマトの説明を受けながら収穫し、「プチぷよ」という品種も試食させてもらいました。
<試食者談:激アマ~。スイーツみたい>
【写真:冷えた体もチョコバナナで生き返る~】
収穫体験の後は、薪ストーブで作ってもらったチョコバナナで一息。
去年は、ホワイトアウトも体験することになったファットバイク。今年は、雪が少なくてもの足りなかった様ですが、お天気にも恵まれ自然を楽しめたとのこと。
<極寒の倉庫でもつ焼き>
この地方では、農作業の合間に畑などでよく行われる「にぐ焼き」。今回、あえて非日常である冬の倉庫で行ったもつ焼きは、タイトルどおりの極寒でした。だけど「めえっ~(おいし~い)」。精米したての「青天の霹靂」で牛肉や豚肉、モツを堪能しました。
【写真:倉庫の中で乾杯】
<工藤さん談:ファットバイクより倉庫でのもつ焼きの方がよっぽど寒い>
<大沼さん談:ニンニクのホイル焼きは初めて~。お芋みたいにホクホクしておいしい!!>
~~~ 3日目 ~~~
<振り返り>
いよいよ最終日。あっという間の2泊3日でした。ゲストに地元の方と先輩移住者をお迎えし、3日間を振り返りました。
【写真:振返り発表の様子】
【大沼さん】
この3日間は、とても充実した体験をすることができました。特に津軽塗のワークショップが面白かったです。今回は時間の制約で一部の工程しか体験できませんでしたが、今度はすべての工程を体験してみたい。
【工藤さん】
令和6年度の藤崎町地域おこし協力隊の募集に応募しています。体験しないと気づけないことも多かったです。農家さんと連携した食育企画などが実現できると感じました。
<意見交換会>
振り返りが終わると、地元の方や先輩移住者の皆さんと意見交換会です。
移住者の関心ごとである住まいや空き家、そして子育て支援のことなどを中心に盛り上がっていました。
【写真:意見交換会】
意見交換会の後は、藤崎町長を表敬訪問するため、藤崎町役場に移動します。
【写真 平田町長と懇談中】
~~~ あとがき ~~~
2泊3日の「藤崎町おためし地域おこし協力隊」も無事に終了しました。筆者もファットバイク以外は同行していましたが、大変中身の濃い充実したイベントでした。企画からアテンドまで中心となって活動して頂いた藤崎町地域おこし協力隊の鎌田いづみさん、動画の記録を残すためずっと同行していた藤崎町地域おこし協力隊の吉田翔英さんをはじめ、藤崎町のいろいろな方のお力添えによって、移住者歓迎の雰囲気が体験者に伝わる素晴らしい移住体験ツアーになったと思います。参加者の方とは、これからも継続した交流ができると良いですね。
執筆者:移住定住コーディネーター 桜庭 幸子
取材日:令和6年1月22日
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